インナーチャイルドを癒す



1. インナーチャイルドとは
2. 傷ついたインナーチャイルド
3. 頑張りすぎる理由
4. 傷ついたインナーチャイルドを癒す
5. 大事なこと


1.インナーチャイルドとは



インナーチャイルドとは、『大人の自分のなかにある子供の部分』です。
日本語では『内なる子供』と訳されます。


『あの人は子供っぽい』などと表現することがありますが、子供が持つ純粋さや大胆さ、
強い正義感などが良い意味で発揮されればさほど問題にはなりません。


ここで問題になるのは、この

成長しきれていない子供の部分が、
大人になってからの人間関係や社会生活に支障を来すとき、
あなたのストレスを増幅させることがある

からです。

そして、その結果として自分の身体を痛め、病気の原因になることがあるという点です。


2.傷ついたインナーチャイルド


私達は子供の頃は、(特に年齢が小さければ小さいほど)直感のおもむくままに行動しました。

子供たちは本来、誰の教えもなければ社会のルールや常識に捉われることなく自由に振る舞います。赤ちゃんは泣きたい時には泣いて寝たいときには寝るのです。それを誰もとがめることはありません。抱きしめてもらったり、慰めてもらったり、すべてを受け止めてもらうことが赤ちゃんの幸せです。幼児は飛んだり跳ねたり、行きたいところに行って身体のおもむくままに動くことが出来ました。それは、ある意味、動物が持つ、あるがままの姿です。今の瞬間だけを生きて過去を振り返ったり未来に不安を抱くことはありません。

そんな何も知らない純粋な魂は、成長していくにつれて、様々な社会のルールや知識をどんどん身につけていきます。


"大人の言うことをききなさい"

“ 椅子に座ってじっとしていなさい"

”最後まで頑張らないといけないよ"

“ 痛くても我慢しないといけないよ"

”辛くても泣いてはダメだよ"

“悪いことをしたらバチが当たるよ”

“将来、立派な大人になれないよ”

"お姉ちゃんだから我慢しなさい"

"男の子は泣いたらダメだ"

 

 などなど、子供の時に周りから聞かされる言葉を数えあげればキリがないでしょう。
ヒトは大人になるまでには実に多くの体験を通して、考え、学んで、大人になっていきます。

 

過去の経験がすべてのあなたの潜在意識を作っています。

 

 

子供時代は周りから得られる情報や教えを、その都度、場の雰囲気とセットでただただ言葉として吸収して脳に記憶していきます。

言葉を理解するしないに関わらず、言葉だけが潜在意識に残ることもあります。

社会で生きていくためには当たり前のことを教えられたり学んでいくのですが、

すべてが真実とも限りませんし、

子供時代はある意味、

鵜呑みにして吸収

していくのです。


そしてこの過程で、本来自由な心を持つ子供の心が、

 

傷ついたり

無理をしたり

頑張りすぎたり

ねじ曲げられて

 

自分の本当の感情を抑圧したまま大人になることがあります。

 

これがいわゆる、 

傷ついたインナーチャイルド」です。

この傷付いたインナーチャイルドが問題になるのは

大人のあなたを傷つけて病気を引き起こしたり

人間関係にストレスを感じる原因になる

からです。

基本的に子供時代に辛い経験、悲しい経験をまったくしたことがない人はいないはずです。

しかし、特に5歳位までの幼児期までの辛い体験は、意識するしないに関わらず強烈に脳に潜在記憶として刻まれていきます。この頃の子供の脳は非常に学習能力が高く、
特に柔らかい、なんでも吸収するスポンジです。

そして、その悲しみや苦しみの感情が強ければ強いほど、

実は細胞レベルで大きな傷を残しています。

思春期以降は心も身体も成長して、辛い体験も様々な角度から見て、納得して前向きに捉えることが出来る可能性があります。

言語も豊富になり自分で自分を励ましたり、慰めたりすることもできます。

しかし、幼児期の子供の心や身体は外からの圧力に対してはまだまだ無力です。

必ず誰かの保護が必要です。

私たちの心の中には誰しも、精神年齢が低いままの部分があります。

それは私たちが幼い頃に受けた心の傷が癒されないまま、大人になるまで持ち続けている部分だったりします。

いわゆる、アダルトチルドレンと呼ばれる、心の成長が止まったままの部分です。

困るのは、その傷付いたまま我慢している子供の自分が、

再び大人の自分を自分を抑圧する、他人を抑圧することが起こったときです。

そして、友人、親子関係のトラブルを引き起こし、再び大きな傷を作るのです。

過去の辛い体験は充分に癒されていないとその傷は残ったまま、ときどき顔をのぞかせてあなたのエネルギーを奪います。

自分を責める
自己肯定感が低い
不安
怒り
罪悪感
悲しみ

こういったネガティブな感情はひとつひとつは小さいものでも、積み重なると脳に記憶されて増強していきます。

例えば、


・親に悪いところを責められて育った人は自分を責めやすい。
・子供の時に褒められたことがなかった人やけなされて育った人は生きていく自信を持ちにくい。
・子供の頃に脅かされて育った人は、不安を感じやすい。
・大人から怒りをぶつけられて育った人は怒りのコントロールの仕方がわからない。
・「お前が悪い」と言われ続けて育った人は、自分が悪いと思いやすい。
・泣いたり悲しむことを許されなかった人は、悲しみを癒す方法が自分でわからずにずっと引きずってしまう。


そして、繰り返されるネガティブな感情は細胞を傷付けて脳の構造自体を変えてしまいます。

精神的ストレスが細胞を傷つけたり、自己治癒力を低下させる原因となります。

(詳しくは脳を鍛える、脳の仕組みとうつ病の関係)

似たような状況が起こるたびに、同じ感情が脳の扁桃体を刺激して、その感情は増強されていきます。

大人になると、そのストレス解消方法は過食、タバコやアルコール、薬物依存など歪んだ方法をとることがあります。

これらの行為には元気を感じるドーパミンや幸せを感じる脳内エンドルフィンを出してストレスをやわらげる作用があるからです。

しかし、ストレス解消法が不健全な方法だと、習慣は長い時間をかけて他の病気の種を育て続けてしまいます。

そして心の傷は解消されないままです。

慢性疾患の数々は生活習慣の見直しがよく言われますが、よくよく振り返ってみると原因は自分の潜在意識のなかの歪みにあることがわかります。

この傷ついたインナーチャイルドを癒す過程こそ、自分の過去を振り返り、もう一度、生まれ変わって新しい人生を楽しむ第一歩と言えるでしょう。

 

 


3.頑張りすぎる人の心理


 

いつも頑張らなければいけない

頑張れば報われる

諦めたら負け

ここでやめるわけにはいかない

自分を認めて欲しい

 

こういった心理は、元気な時には起爆力になりますが、病気の時には全くいらないものです。すべて、自分に無理を強いる心理だからです。世の中で一般的に言われている言葉や真理は状況ごとに使い分けが必要で、人生においては賢く取捨選択していく必要があります。
病気にかかりやすい人の特徴として、子供時代に親や大人から言われ続けて自分の中の常識になってしまった、

自分に厳しい、自分を追い込む言葉をたくさん持っていることがあげられます。

”親からの愛の鞭“ はときに潜在意識のなかに深く刷り込まれ、
“大人になっても自分を傷つける愛の鞭“ となってあなたを傷付けてしまいます。

「申し訳ない」「すみません」「頑張ります」などの口ぐせの人は特に要注意です。

心の中で本当にそう思っていても思っていなくても関係ありません。

そういう状況が今までにたくさんあったため口癖になっているのです。

こういった口癖のある人は、"自分が本当はどうしたいかという本当の自分の気持ちを無視しています。そのため、本来の自分を受け入れずに、他人を優先したり他人に尽くしてしまうことが多くなりがちです。

自分自身が十分に満たされていないときに人に優しくするのはとてもエネルギーのいることです。
心の中で葛藤があればなおのことエネルギーを余分に使います。そして、自分自身が毎日のストレスから回復する力すら失ってしまいます。

弱って満たされていない病気のときはとにかく自分の中にエネルギーを増やすことが最重要課題です。

”元気“、つまり”氣の元“が必要です。


病気を治すときには愛の鞭は入りません。
まず自分を十分に甘えさせてあげる必要があります。
あなた自身があなた自身をを世界で一番大切に扱ってあげてください。

 

何もがんばらなくても、

 

今のあなたのままで十分素晴らしいのです。

 


何も頑張らなくても、今のままのあなたを認めてくれる、あなたをすっぽり包む、無条件の愛を感じてください。

 

 

もしも無条件ですっぽりあなたを包んでくれる、そういう方が近くにおられれば最高です。

家族、パートナー、友人など、ペットでも構いません。

自然の中でボーッとするのもいいでしょう。

自然は惜しみなくすべて必要なものを与えてくれます。

脳や全身の細胞の最も重要な栄養である酸素は吸っても吸っても減りません。

とにかく、しばらくはなるべくその方の側にいて、大きく深呼吸をして自分のエネルギーを増やすことをおすすめします。

 

 

もしも身近にそういう方がいなくても大丈夫です。

側に誰もいない、あなたには一番強力なパートナーを紹介します。

それはあなた自身です。

いつも自分より他人を優先したり、自分を後回しにしていたり、「自己犠牲」が癖になっている人は、
実は

 

「自分を認めて欲しい」という心理が働いています。

これは自分で自分を認めてないために、代わりに「誰かに認めてもらいたい」「愛情を注いで欲しい」という心理です。

自分で自分を認めていないので、認めてもらえるまで頑張り続けるしかありません。

でも頑張っても頑張っても、自分は自分をちっとも認めません。

この負のスパイラルを抜けだす方法はたったひとつ。

”自分を自分で認める“

ということです。

「私には価値がある」

「私は今までよくやった」

 

 

何もがんばらなくても、

今のあなたのままで十分素晴らしいのです。

 

これを潜在意識に覚えなおさせることが大切です。


「価値がないのに価値があるとは思えない」と思ったら、そこがあなたの病気の原因です。
自己肯定感の低さは、潜在意識が作っていると書きました。
価値がないと思っているのは過去の自分が作った思い込みです。

誰かに「お前はダメなやつだ」と言われた辛い経験はありませんでしたか。失敗したとき自分をひどく責め続けませんでしたか。それを毎回、何十年も繰り返してきませんでしたか。こうして、あなたは自分の脳に「お前はダメなやつだ」「頑張りが足りない」と覚え込ませてきたのです。

 

これから病気を治したいと思っている今のあなたができることは、

思い込みで病気を作った自分とはきっぱり別れを告げて別の人生を歩く決意をすることです。

頑張りすぎる人は、いったん自分で自分を認めた上で、今までの頑張りをとにかく自分で誉めてもらいたいと思います。
病気になるまで頑張ったあなたに、これ以上の頑張りはいりません。

これを書いている私にはあなたの頑張りがよくわかります、私は全面的にあなたの頑張りを認めます。

このサイトにたどり着いたのは何かのご縁ですが、頑張りすぎて病気になった人しかこのサイトには来ないからです。

今後、癖で「頑張らなきゃ」と再び思った時には、「また古い癖が出たな」と思って、これが人生において必要な頑張りなのかそうでないのか、を客観的に見ることをお勧めします。迷ったら人に聞いてもいいでしょう。

実は必要な頑張りというのはそれほどなく、諦めていいことがほとんどです。また、世の中のほとんどの人もそうやってもっと力を抜いて生きていますのでどうか安心してください

 

今のこの瞬間、”頑張る”という言葉はあなたの頭の辞書の中から消しましょう。

 

あなたのままで

十分素晴らしいのです。

 

どうぞ忘れないでいてください。

 


4.インナーチャイルドを癒す方法


 

ここでは2つ紹介します。

傷の原因になった、子供の頃を自分で振り返る方法です。

過去に性的虐待や酷い身体的虐待、犯罪にあった方、現在、精神科で内服をしている方、程度の酷いフラッシュバックやパニック発作のある方は、ここで一人でやるのはオススメ出来ません。可能であれば、臨床心理士、インナーチャイルドセラピスト、ヒプノセラピストなどのトラウマを専門で扱っている方をどうか頼ってください。


 自分で傷付いたインナーチャイルドを癒す方法 ①


 

① 誰にも邪魔されない静かな環境で行います。

② 目をつぶって、いま悩んでいることに対する感情が

怒り

悲しみ

恐怖

不安

焦り

罪悪感

これらの中のどれにあてはまるかを感じます。そしてこれらの言葉のひとつを選んでそれを強く感じます。

今、病気の部分があればその部分に手を当ててもいいでしょう。

例えば、怒られている自分やその時の恐怖などが頭に浮かぶかもしれません。
その感情を強めて、身体のどの部分に強く感じるか自覚します。

その感覚を感じながら、自分の子供時代の顔を思い浮かべます。

高校生→中学生→小学生→幼稚園→赤ちゃん

といった風に過去を遡るわけです。昔見たアルバムの写真のあなたが出てきても構いません。とにかく身体に感じた感覚といつかのあなたの表情を強く感じます。

身体に感じている強い感覚とぴったりくるイメージが出てきたらそこからたどって、詳しくその場の状況やイメージを確認します。


そこはどこですか。誰がいますか。

選んだ感情を感じているあなたの顔が見えますか。

大体イメージができたらそこに大人のあなたが近づいていってください。

そして、そっと、ゆっくり声をかけます。声に出しても、心の中でも構いません。

子供時代のあなたはびっくりした顔をするかもしれませんが大丈夫です。


「怖かったね、でももう大丈夫

「悲しかったね、でももう大丈夫

「不安だよね、でももう大丈夫

「慌てたんだよね、でももう大丈夫

「あなたが悪いんじゃないよ、もう大丈夫

と、声をかけます。

感情に対して共感して、安心させてください

可能であれば、子供の自分を笑顔で抱きしめると同時に、現実のあなたも自分で自分を抱きしめます。

泣きたかったら泣きます。

何か伝えたいことがあったら伝えて、困ったらすぐに助けに行くことを伝えてあげれると最高です。

そして、さよならの挨拶して現実の世界に戻ってきて下さい。

そして、目を開けます。

スッと身体が軽くなったら大成功です。

バカバカしいと思ってもやってみてください。

これは過去の記憶を癒すと同時に、実際に傷ついた脳細胞の修復にスイッチを入れる効果があります。当時、十分に癒してあげれなかった傷を、大人のあなたが癒してあげるのです。

夜寝る前など、機会があるごとに何度もなんども試してみて下さい。

人によってはびっくりするほどの記憶が出てきて初めは混乱するかもしれませんが、徐々に上手くできるようになります。負の感情が出てくるたびに繰り返し行いましょう。

自分では難しかったり、誰かに手伝って欲しい時は、インナーチャイルドセラピストヒプノセラピーのセッションを受けてみると良いでしょう。

 


自分で傷ついたインナーチャイルドを癒す方法❷
(親との関係でインナーチャイルドが傷付いている場合)



内観法

子供の頃に親にしてもらったことを30個ノートに書き出します。可能ならば50個。

どんな小さなことでも構いません。

(ご飯をたべさせてもらった、お菓子を買ってもらった、学費を出してもらった、、、なんでも構いません。)

インナーチャイルドに思い当たる方は、「もっと親に愛情をかけて欲しかった」という思いが潜在意識でくすぶっています。

その嘆きや悲しみをノートの隅に書き連ねてもかまいませんが、その場合は最後に、書いた紙は全て破り捨ててください。

 

「やってくれたこと」を書くことは、

さらにこの上の段階へいく、あなたのエネルギーを高める方法です。

親との関係がうまくいっていなかった人ほど「傷付いたインナーチャイルド」という概念に惹かれる傾向があります。

そして、親は日常的に接する時間も多いため、深く傷ついている方が多いのですが、

親もまた、傷付いたインナーチャイルドを持ったまま親になった

という事実があります。

あなたを傷つけた行動、言動の数々は

親も人生の修行半ばにあったということです。

ここで行うことはこれらの

過去から学んで、過去に別れを告げる儀式です。

あなたの人間性を高め、

より良い将来のためにこれらの経験を活かす

ワークとして行ってください。

今のあなたと同じ立場で、

当時、努力してやってくれたこと

にあたらめて感謝を感じることができれば、

あなたは世代を超えてさらなる心の成長を遂げることができます。

このワークを行うことで、最終的に、

自分は親とは別の人格で人生を歩んでいく必要があること

過去は終わったものとして、今から自分がどうなりたいか

産まれてきたことに感謝

 

ありがとう

という境地に辿り着けることを祈っています。


5.大事なこと



一番大事なことは、


“あなた自身がこの地球で輝くことです”

過去がどうであれ、親がどうであれ、育った環境がどうであれ、今のこの瞬間、

 

あなたが幸せを感じていることが一番の幸せの形である

 

宇宙の自然なかたち

だと言われたら、驚きますか。

でも、これは事実です。

あなたが、本当に自分の幸せを望むとき、宇宙はそれに共鳴してあなたの幸せを後押ししてくれます。

〜子供たちの世界はいつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激に満ち溢れています。

残念なことに、私たちの多くは大人になる前に

澄み切った洞察力や、

美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、

あるときは全く失ってしまいます。〜

(レイチェル・カールソン著 『センス・オブ・ワンダー』の一節より)

失ったものは取り戻せます。

「失った」と気付くからです。

子供時代そのものは取り戻せませんが、「失くしていた自分」に気付けば、それを取り戻すことは可能です。

取り戻すための時間はまだたっぷり残されているからです。

自分を大切に世界で一番幸せにする方法を、

どうか出来ることから試してみてください。