副腎疲労の治し方 ~食事編~


 

食事の基本については ”〜生活編〜”食事” を参照下さい。→ 生活編 ”食事”


現代人は、脂肪、炭水化物を中心とした食生活になりがちです。

そして、摂取カロリーが高いのにビタミンやミネラルが不足することで食べたものを十分に利用できていません。

 

野菜や穀物から摂取されるアミノ酸は体内に吸収されると筋肉や臓器を作るタンパク質になりますが、バランスが取れていないと結局は上手く利用できません。その結果、臓器の機能が落ちたり、不調の原因になります。

人間は身体のなかで作ることの出来ない9種類のアミノ酸(必須アミノ酸と呼ばれます)のうち、ひとつでも足りないとタンパク質を作ることができないと言われています。

これは ”アミノ酸の桶”の理論と呼ばれ、家庭科の授業でも習ったタンパク質の合成の大事なポイントです。

 

例えば、お米はアミノ酸の中でもリジンが少ないので、リジンを他の食材で補うことができれば効率よくタンパク質を合成することができるということです。


リジンを多く含む食材は大豆です。


だから昔から日本人は米と大豆を合わせて食べ続けてきました。昔の人は玄米を食べていましたので今よりももっとミネラルをたくさん得ることが出来ました。玄米は消化が悪いので、これに発酵食品である”みそ”を合わせ、みそに含まれる酵母菌、乳酸菌、酵素などがその消化を助けました。

今よりももっと厳しい生活環境で、日本人は米と野菜の入ったみそ汁でその時代を生き抜いていたのです。


現代の食生活ではアミノ酸をバランス良く摂取できないために、

 

すべての必須アミノ酸をそろって効率よく摂取することのできる肉類、乳製品、動物性タンパク質をとるという選択をせざるを得なくなっています。


 副腎疲労状態の方は、

 

効率の良い 

動物性タンパク質消化剤の組み合わせから食事を開始する” 

 のが一つの方法です。

 


すでに、肉類や乳製品にアレルギー症状のある方は、

穀類、野菜、市販のアミノ酸プロテインを使いながらタンパク質を合成する

 のがもう一つの方法です。


 どちらが身体に合うかは個人差があります。もともと、動物性食品が好きであれば消化剤を組み合わせると効果が高いでしょう。

タンパク質は肉類、魚類のタンパク質を上手く組み合わせると良いでしょう。

肉類が苦手でも、消化剤を組み合わせて用いることで身体が楽になったと感じればしばらくそれを続けましょう。体調、環境、精神面すべてをゆっくり時間をかけて整えていきましょう。

 


回復のためにできること


① 腸内環境を整える。

 

② 消化剤を使う。

 

③ 食べるたんぱく源は交互に

 (毎食同じものばかり食べない

 

④ アミノ酸バランスに気をつける

 (参考になるのは昔ながらの食べ方です)

 

⑤ プロテイン、市販のアミノ酸を使う。

 

⑥ よく噛む

 

⑦ 心の問題を解決する

 

⑧ なにごともやり過ぎない

・タンパク質がいいからといって食べ過ぎない

・調子がよくなったからといって頑張りすぎない

・出来なかったことを責めすぎない



ここでは特に

慢性疲労、副腎疲労の方の 

 

"タンパク質の摂取方法" について

 

詳しく解説します。


<ポイント>

① 腸内環境を整える

② 十分な食事の時間を確保する

③ タンパク質の必要量を見極める

④ 消化酵素を組み合わせる

⑤ 自分で食物アレルギーの有無をチェックする

 


腸内環境を整える


私たちが食べたタンパク質が自分の栄養になるためには、分解されたタンパク質が腸から吸収される必要があります。胃腸の働きが悪いと、消化、吸収ができないばかりか、腸のなかで腐ったタンパク質は腸のエネルギーを奪い取ってしまうことになります。

 

タンパク質の分解(細菌による腐敗)、分解、吸収がバランスよく行われるように腸内の状態を整えることが第一優先となります。腸の負担を減らすために咀嚼をしっかり行い腸内細菌を育てて増やす食事を心がけて下さい。

(→腸を鍛える”腸内環境を整える”

 

タンパク質がそのまま腸の中に放置されると、腸内細菌によって分解されます。タンパク質を分解するのに多くの仕事量が必要になれば、タンパク質を分解する細菌も増えて(一般に悪玉菌と言われますが、実はよく働いてくれる有り難い存在です)、食事が分解されるのに時間もかかります。また、タンパク質の分解では身体に有害になるアンモニアや硫化水素を同時に生成するため、汗や排泄物と一緒にこれらを上手く身体の外に出してあげる必要があります。

 

適量をしっかり咀嚼することでより細かく(ペプチド、アミノ酸レベルまでたどり着くのが最終目標)することが出来れば、腸管内での停滞時間を短縮して腐敗は最小限に抑えることができる』というイメージを食事のときに持ちましょう。


食事の時間を確保する


・朝食(起床後2時間以内

 午前10時までに一度目の食事)

 

間食(2時間後)

 

・昼食

 

間食(2時間後)

 

・夕食

 


副腎疲労の方は、はじめは食事を朝昼夕の3食きっちりと、必要に応じて2回の間食を挟みます。副腎疲労を起こしやすい方は朝食を抜きやすい傾向にありますが、副腎疲労が完全に回復し、心身ともに自分でコントロールできるようになるまでは必ず、午前10時までに1回目の食事を行います。

朝決まった時間に起きられない方は、起床後2時間以内に一度目の食事を取ります。

 

これは低血糖によって引き起こされるその後の過剰な食欲を避けるために非常に重要です。

多少の時間の前後は構いません。


 

 

休職が困難で、仕事をしながら対応しなければならない方は、

朝食、昼食、夕食のそれぞれの食事の合間に午前・午後の2回の間食を必ず行うようにして対応して下さい。

 

朝食を抜かない

・間食をコーヒーやお菓子で済ませない

ようにして下さい。

ナッツ類、雑穀おにぎり、枝豆、ゆで卵など、タンパク質を含む食品 (200k cal程度まで) をよく噛んで食べます。

 

 


 過度の空腹や低血糖症状が現れる前に間食をする方が副腎には負担がありません。

 

間食はお腹が空き過ぎた後の、異常な食欲を抑えるために必ず行って下さい。

 

何度も言いますが、間食にコンビニの菓子パン、チョコレート、コーヒー、お菓子のみは❌です。

 

チョコレートは脂肪が多く食欲を抑えることがありますので、副腎疲労の方には見せかけの元気で余計に栄養・精神的なバランスを崩し回復が遅れる恐れがあります。


タンパク質の『必要量』を見極める


現在の栄養学でいわれているタンパク質の必要摂取量は通常の生活を送る人で約1.0〜1.3g /kg体重/日です。

体重50kgで50−60g

体重60kgで60~80g

これは『タンパク質そのものの量』を言っています。

厚生労働省の推奨量は以下です。

(あくまで参考です)


 食品に変えるとタンパク質50gはだいたい、

 

朝 鮭一切れ・卵1個(タンパク質20g)

昼 鶏肉80g(タンパク質20g)

夜 魚80g(タンパク質16g)

となります。

 

よくある和食の3食の例を紹介します。




 

一日の流れで見てみると有り難いことに

日本の典型的な定食が各一食あたりがおおよそタンパク質20g前後になっています。

3食組み合わせるとおよそタンパク質を60g前後とることになります。

目標が50gであれば、これらの中から卵1個分、味噌汁を一日1回程度に減らすなど調整が可能です。


 

これを揚げ物や脂肪の多い乳製品や動物性タンパク質に置き換えると一気にカロリーオーバーかつ、体内は酸化に傾き、これを補うためのサプリメントなどの対策が必要になります。外食であれば添加物により体への負担もあります。

動物性タンパク質は適量を心がけて下さい。


 体重がオーバーしている副腎疲労の方は、食事はタンパク質をしっかりとり、咀嚼を行うことで炭水化物や油の取りすぎを防ぐことができます。

また、痩せ型の副腎疲労の方は消化剤や薬味を常備して、必要たんぱく量をしっかりとることを目標にして下さい。


 呼吸や食事、運動で全身や脳への血流が改善し、酸素を含めた栄養がしっかり補充できれば、精神面での強さが出てきます。

今後の食事や次への対策をしっかり自分でかじ取り出来るようになりますので、それまではタンパク質の量を念頭に置いて、どうか諦めずに続けて下さい。

 

心身ともに健康を取り戻したあかつきにはファスティングや一日2食、一日1食など自分に合う食事スタイルを確立していくことができます。

 


今は焦らずに

 

精神面、肉体面の強化を目指し

 

理想の生活に近づいていくこと

 

が最重要課題です。


 肉体労働や運動量の多い人のタンパク質の必要量は1.7kg /kg体重/日 です。

さらに10−20g上乗せです。

上の量にさらに食事1回分を追加するイメージです。

 

特に、女性は太ることを意識して肉類を敬遠したり口当たりの良い糖質中心の食事になりがちです。

副腎疲労症状が起きている場合、心の状態が落ち着いて症状がなくなるまでは積極的にタンパク質をとる方が回復が早くなります。上記の量と比べて普段の食事の量の目安にして下さい。


タンパク質含有量(100gあたり)


鰹節 77
高野豆腐 50
大豆 36
きな粉 35.5
納豆 16.5
豆腐 6.6
鮭 22
鯛・たい 20
さば 20
あじ 19
たこ 16
ゼラチン 88
鳥胸肉 23
鳥ササミ 19
牛肉 20
豚肉 20
卵 13 (卵一個あたり6g)
豆乳ヨーグルト 4
牛乳 3


これらの中から取り入れやすいものを選んで三食に組み合わせて下さい。

昼食、夕食共に手のひらに軽く乗るくらいのタンパク質を摂取するのが目安です。

また、動物の肉や魚、たこやエビなど堅いものは消化に時間がかかります。どのタンパク質も消化を助ける『咀嚼』『薬味』必要に応じて『消化剤』をお忘れなく。

 

タンパク源としてはヨーグルトやチーズなどの乳製品もおすすめですが、便秘や下痢、便臭がキツい方、アトピーや花粉症など何らかのアレルギー症状がある方、カゼインが気になる方は、量を減らすか豆乳ヨーグルト、ココナツミルクヨーグルトなど、代替品を試してみて下さい。


タンパク質の量  一品中に含まれるタンパク質の量を参考に組み合わせてイメージしてください。





〜大豆について〜


 

特にタンパク質摂取を奨励すると、動物性タンパク質の苦手な方は大豆製品の量が多くなりがちです。豆乳、豆乳ヨーグルト、納豆、ベジタリアン向けの加工品など、高タンパクをうたったものはほとんどが大豆タンパク質を多く用いています。副腎疲労の方は、便秘やアレルギー体質、カンジダ症状がある場合、腸内環境が整っていない場合がほとんどです。容易に『大豆アレルギー』を引き起こします。つまり、症状がさらに悪化する可能性があるということです。

 

また、大豆にはゴイドロゲン、大豆イソフラボンという成分を含みますが、これらも大量に摂取すると甲状腺ホルモンの機能を低下させることがわかっています。適量なら心配ありません。いずれも量が肝心です。たくさん摂取しても消化されなければ、せっかくの栄養素も腐敗して便に出てくるだけです。


適量

咀嚼

 

は必須。

 

発酵した大豆食品(納豆、みそ)

消化剤

も大切です。


タンパク質は咀嚼して体内で分解され、小さなアミノ酸にならなければ私たちの細胞に生まれ変わりません。

そのための咀嚼です。

食事の際の薬味の使用のほか、食後の胃の重さや不快感を感じたら積極的に消化剤を使用して下さい。


 

毎食同じタンパク質ではなく、普通量を一日おきや週に数回とることから始めて下さい。

朝は味噌汁、昼は魚、夜は納豆などといったように、豆そのものよりも発酵した大豆製品を用いたり、アレルギーを引き起こさないように一回分は少なめで、他で全体量を補うなど、上手く使い分けて下さい。


消化酵素を組み合わせる


食事はまず口の中でしっかり咀嚼(そしゃく)されて小さく噛み砕かれる必要があります。

 

次に、胃のなかで本来pH 2−3以下の強酸性の胃酸によってタンパク質が溶かされます。

胃もたれや胸焼け、逆流性食道炎などの診断をされ、胃薬を服用中の方は胃酸の分泌を抑えてしまっているため胃でのタンパク質の分解が不十分な場合があります。

 

薬味の使用で胃の働きを高めるほか、レモン汁や酢などを食品にかけるのはおすすめです。

 

消化剤を使う場合ベタイン酸やタンパク質を分解するプロテアーゼを含む消化剤を使用します。

(さらに詳しくは副腎疲労を治す・サプリ編も参照ください。)

 

薬ではなく自力でという方は、『とにかく咀嚼』です。唾液を出すことは胃や腸の動きを活発にし、消化液も増えます。そして何より、脳の視床下部の満腹中枢を満足させ、余分に食べるのを防ぎます。

 

唾液中の消化酵素アミラーゼもフルに活用して、胃腸の動きを助けましょう。

 

 


食物アレルギー・食物過敏症を自分でチェックする


人によって、特定の食べ物に対して異常な反応を示す場合があります。

すぐにアレルギーを起こす場合は、即時型アレルギーといわれ、症状に対応する原因が分かりやすいのですが、これに対して遅れて反応したり慢性症状として現れることがあります。これを遅延型アレルギーといいます。


慢性鼻炎

花粉症

喘息

アトピー性皮膚炎

関節痛

慢性疲労

頭痛

不眠

多動

集中力低下

うつ症状

自閉傾向


などといった、精神症状をふくめて、症状は多岐にわたります。

そのため、食事との関連を考えられないまま、別の対応がなされていることがしばしばあります。

アレルギーが起こると、ヒスタミンや他の炎症を起こす物質がたくさん出ます。いわゆる、身体の中で『火事が起こった』緊急事態です。

 

 


最も一般的な食物アレルギーの原因は小麦、卵、牛乳、エビ・カニなどの甲殻類、青魚、大豆、ナッツ類などですが、これらは特に食品に含まれるタンパク質の割合が多いのが関係しています。そして、甲殻類や青魚はヒスタミン含有量が多いので即時型の症状を起こしやすいことで有名です。

『症状はあったけれどもアレルギー検査では引っかからなかった』場合は本当はアレルギーではなく、『ヒスタミン中毒』の場合が多いのですが一般的には混同されています。

 

また、ある特定の食品に感受性が高まっている場合があります。食物過敏の状態です。これもアレルギーと同様で、ヒスタミンなどの物質が過剰に体内に放出されます。

特に脳にはヒスタミン受容体がたくさんあるため、身体の反応よりも顕著にあらわれる場合があります。

 

・頭がぼんやりする

・考えが混乱する

・いつもの自分ではないみたい

・異常に興奮する

 

などの症状も有効な手がかりです。

 

食物アレルギーや過敏症には個人差があり、症状、重症度も異なるため、性格や体質のせいと見逃されがちですが上手く対応すれば不快な症状は改善できます。

 

原因の食品を調べるには、専門の病院で『遅延型アレルギー検査』『IgG食物アレルギー検査』を受けることも有益な検査です。(多くは保険外で自費負担になります。)

それが難しい場合にも、自分で原因食品を探せる方法3つを以下に記しますので参考にして下さい。


 

アレルギー・過敏症を自分でチェックする①

 脈を数える(Coca pulse test)


準備

1.朝一番、布団のなかでリラックスした状態で1分間の脈拍を数えます。(記録する)

2.立ち上がって深呼吸をして、再び1分間の脈拍を数えます。(記録する)

 

自分のおおよその脈拍を確認します。


 

疑う食品がある場合 

(食品をひと口分準備します)

リラックスした状態で、次の2ポイントで1分間の脈拍を数えます。

 

・口に入れる前

・ひと口分を30秒間、舌の上に乗せるかよく噛みます。(飲み込みません。)

 

口に入れる前後で、脈拍が6拍以上増えた場合、その食品に感受性が高くなっている、またはアレルギーがある可能性がある、と判断します。症状がひどいと判断した場合は、飲み込まずに吐き出して口を水ですすぎます。


食品がわからない場合

(疑っている食品を準備します)

リラックスした状態で、次の3ポイントで1分間の脈拍を数えます。

 

・食べる前

・食後15分後

・食後30分後

 

同様に、食事の前後で脈拍が6以上増えた場合食べたもののなかに感受性が高くなっている食品があると判断します。30分後にもとに戻っているか、まだ脈が増えたままか確認できれば症状の持続時間を確認できます。

 

この中から怪しい食品を探します。小さい頃から嫌いだったものや、逆に異常に食べたくなるもの、毎日食べているものの場合もあります。市販品の添加物に反応している場合は特定が困難ですが下に記載した③の『食事日記』を参考に原因を探っていきます。

 

中等度から重度の副腎疲労の方は脈拍が増加しないことがありますが、この場合は症状を優先させて、1−2週間程度、これらの食品を除外して反応を見ることをオススメします。(『②食品を除去してみる』に続きます。)


アレルギー・過敏症を自分でチェックする②

食品を除去してみる


疑いのある食品をまず2週間除去します。

2週間後にその食品を再び摂取して自分の反応を観察します。一度目は無症状でも、二度目、三度目に摂取した場合に反応する場合があります。

 

過敏症が軽度なら、1週間に1.2度の摂取は可能かもしれませんが、今後もう二度と経験したくない酷い症状であれば、日常からこの食品を除去しましょう。


アレルギー・過敏症を自分でチェックする③

食事の日記から探す


・日付け

・食べる場所

・食べたもの

・反応

・可能なら便の様子

 

の5つについて記録していきます。

 

可能な範囲で記録して、1週間程度で見返します。そして、不調が起こったときの共通点を探します。

 

パンを食べると後で頭がボーッとする

とか、

コンビニのおにぎりを食べると舌が痺れる

など、なんでも書きます。

 

共通しているのが食べるものではなく、食べた場所や作られた場所である場合もあります。

例えば、特定の人と一緒に食事をするといつも具合が悪くなるとか、逆に一人で食事をすると後で疲労感があるなど。いつも使用している社内食堂の揚げ物の油に反応している、なんてこともよくあります。

 

便の形状はバナナの硬さと形で、水に軽く浮く程度が良い便です。排便後、紙で拭いても何もついてこなければ最高です。『いつもより柔らかい』『排便のときにガスが増えて腹痛がある』など、いつもと比べて何が違うかわかれば今後対処しやすくなります。

 

 

もともと便秘がちの人が、回数が増えたり形が良くなったり、という場合も、自分にあっている食品を見つける手がかりになるので是非見直してみて下さい。

 

これらの良い点は、アレルギーを探すと同時に自分のパフォーマンスを落としている原因を同時に見つけることが出来ることです。不快な反応をいかに除去するか考えることは自分のストレス対策にもつながります。

 

遅延型アレルギーのある食品でも、身体のストレスの状態や腸の状態、他の炎症を抑える物質などのバランスで少しくらいなら摂取しても問題ないこともあります。

そして、腸内環境が整えばアレルギーが治ることもあります。(→腸を鍛える)

 

くれぐれも、原因探し、食品除去にばかり神経質になり過ぎず、症状に悩まされる今のうちに、自分の口にしているものや食生活を是非振り返って、今後の快適な生活の参考にして下さい。探偵になったつもりでゲームのように楽しむことです。

 


炭水化物・その他の食品について


副腎疲労の方は、低血糖症を引き起こしやすい方がほとんどです。

 

空腹感やそれに伴う不安感やイライラ、その後の過食など、低血糖症の症状はさまざまですがいずれも未然に症状を防ぐことが大切です。


 

そのために、炭水化物は単品では食べずに、毎食、間食ともに、脂肪・タンパク質・デンプン質の炭水化物(玄米や全粒粉、麦などの雑穀)を組み合わせることが重要です。軽症以上の副腎疲労には糖質制限は御法度です。)

 

また、疲労症状のある方は朝食の果物は控えた方が良いでしょう。バナナや桃など、果糖やカリウムを多く含むものはその後の血糖と血圧に影響することが多いので、朝は全くとらないか、たまにごく少量にするようにして下さい。

午後2時以降の摂取は適量なら問題ありません。

❌ 砂糖・精製炭水化物(白米のみ・白パンのみは ❌ )

❌ 果物(午前中)

 

⭕️ 味噌汁(ベスト・大豆アレルギーのある場合は『麦味噌』やその他の『雑穀みそ(ヒエ・あわ・キヌアなど)』を使用)

⭕️ 炭水化物は雑穀、未精製のものをお茶碗に軽く一杯

⭕️ タンパク質(卵・魚・豆腐・肉類)

⭕️ 必要に応じて消化剤を使用する

 

例えば、食事の時間がしっかり確保できてよく噛んで食べる時間があり、味噌汁の中にネギを入れたり、魚、卵焼きにレモンや大根おろしを合わせる余裕があれば消化剤はいりません。

 

朝・昼・夕の3食は

  1. 炭水化物は雑穀米や全粒粉を選ぶ(砂糖・精製炭水化物は避ける)
  2. 脂肪・タンパク質をバランス良く
  3. アトピーや原因不明の皮膚症状、アレルギー症状、血便や粘液便、便の臭いの強い方は、毎日同じタンパク質を続けて取らないことに気をつけて下さい。
  4. 消化剤・プロバイオティクスなどの乳酸菌製剤、サプリメントも適宜お忘れなく。

〜最後に〜


健康にはバランスが取れた”少食”が良いのはおそらくほぼ間違いありません。

 

しかし、

 

副腎疲労の状態である今は体の機能回復が目的です。

 

肉体面が徐々に回復していく過程で、精神面が落ち着いてくれば、

今までのストレスをストレスと感じなくなっていきます。

 

そして、自分にあった食事が一体どういったものかということが必ず見えてくると思います。

 

同時に与えられている食べ物全てに感謝する気持ちが湧いてくると食事そのものの考え方が変わってくると思います。

 

どうか焦らずに、神経質になり過ぎずに、自分の身体に興味を持って日々の食事を見直してみて下さい。

 

副腎が十分に回復し、精神面が落ち着いて、周囲の様々なことや人生を楽しむことに興味が湧いてきたとき、

 

そのときには自分のライフスタイルにあった

さらに健康的な食生活を探してみましょう。


Endnotes / 参考文献 : 

Hickey et al. “Dynamic Flow: A New Model for Ascorbate.” J Orthomolecular Med, 20(4), 237.
Cathcart R. “Vitamin C, the nontoxic, nonratelimited antioxidant free radical scavenger.” Medical Hypothesis,18, 61-77.