1.脳のエネルギー
2.脳にダメージを与えるもの
3.脳のストレスとうつ病
4.脳を鍛える まとめ
1.脳のエネルギー
(脳にもっとエネルギーを)
脳のエネルギーがブドウ糖だけだという考えは古くなりつつあります。
ブドウ糖から作られるグルコースは即効性のあるエネルギー源ではありますが、実はグルコースが枯渇した状態でも、人は身体に蓄えを持っています。肝臓にはグリコーゲンといういつでも取り出せるブドウ糖玉のようなものがありますし、また、脂肪が燃えるときにできるケトン体(アセト酢酸とβヒドロキシ酪酸)も効率の良い脳のエネルギーとして有名になってきました。つまり、頭が働かないからチョコレートやお菓子を食べるのは間違いです。ここでは脳の中を見てみましょう。
脳細胞は、オリゴデンドログリア(乏突起膠細胞)と呼ばれる、取り巻きの細胞に囲まれています。
この取り巻きの細胞は神経の周りを保護するために脂肪でできた鞘(さや・ミエリン)を作る仕事をしています。絶えず新しいミエリンを作り、古くて壊れたものと交換しているのです。
つまり、脳神経を成長させるカギはミエリンを作る取り巻き細胞の働きを助けてあげると良いのです。
このミエリンはコレステロール、飽和脂肪酸、オメガ3系脂肪、オメガ6系脂肪酸から出来ています。
実は全身のコレステロールの25%は脳にあります。頭蓋骨を外して人間の脳を見てみると、脳は脂でギラギラに光っています。
良質の油の摂取は、ミエリンを再生し、脳の働きを改善する上で欠かせません。
魚を含む良質の脂肪を食事から摂取することは健康な人にとっても、神経変性疾患患者にとっても認知機能を改善することや、低コレステロール、脂肪の少ない食事が逆にアルツハイマーなどの認知症の促進因子となることが報告されています。
ナッツ類には良質の脂肪がバランス良く含まれます。タンパク質、ミネラル、繊維質も絶妙なバランスで含まれています。
是非、おやつには甘いお菓子にコーヒーではないく、アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類を取り入れてみてください。
出来るだけ新鮮で酸化の少ないものを選んでください。ナッツ類のカビ毒について様々なところで言われていますが、咀嚼による唾液がこれらを無毒化するという報告がすでになされていますので、必ずよく噛んでしっかり唾液を出し、食感や風味の違いを楽しんでください。
2.脳にダメージを与えるもの
(4つのものを取り除く)
現代の生活には脳にダメージを与えるものが溢れています。
これら全てを可能な限り除去することが望まれます。
食品添加物
電磁波
トランス脂肪酸
有害金属
脳の『海馬』が私たちの記憶に関係することは知られるようになりました。
その横に、もうひとつ『扁桃体』という、およそ1cmほどのアーモンドに似た、小さな場所があります。
この扁桃体は情動(喜びや悲しみなどの多くの感情)に関与していて、隣の海馬と密接に連絡を取り合っています。
ストレスと感じる仕組みについておさらいします。
まず、目で見たもの、匂い、聞いたもの、皮膚で感じたものなどから『不安・不快・怒り』など自分にとってストレスだと認識されると扁桃体が初めに刺激されます。
そして、『不安や恐怖に対処せよ』という指令が脳の視床下部に伝えられます。
視床下部は緊急事態に対応するために全身に指示を送ります。
その際、下垂体に対しては、副腎にコルチゾールやアドレナリンといったストレスに対処するホルモンを出させるように連絡をします。
下垂体から連絡を受けた副腎はコルチゾール、アドレナリンなどのホルモンを産生することになります。
こうして全身を駆け巡ったこれらのホルモンの働きによりストレスに対応するわけです。
これは非常に重要なメカニズムです。
問題になるのは、繰り返されるストレスによる、過剰な扁桃体への刺激と過剰なコルチゾールの分泌です。コルチゾールの過剰な分泌は副腎を弱らせ、コルチゾールの不足につながります。
一方、過剰な扁桃体の興奮をなだめるのが前頭連合野(ぜんとうれんごうや)という部分です。
前頭連合やはおでこの内側部分にある場所で、『思考・判断・意欲』を生み出します。
しかし、睡眠不足や栄養不足で脳の栄養や酸素が十分でないと、前頭前野は正常に機能しません。
判断力が衰え、意欲も低下、さらに扁桃体の暴走を止めることができません。つまり、不安、悲しみ、怒りなどの負の感情のスパイラルにはまり込んでしまいます。
また、扁桃体は前頭連合野や他の脳からの詳しい情報を受け取るよりも早くに反応してしまいます。
素早い対応は命の危機が迫るときには大助かりですが、そうでないときには異常な興奮や、酷い時にはパニック発作といった困った症状を引き起こします。
扁桃体が暴走すると副腎はストレス対策の体内のコルチゾールを使い続けることになります。
海馬もまた、この扁桃体を制御する役割を持っていますが、暴走が続くと海馬は傷つき萎縮する(脳がちぢんで小さくなる)ことがわかっています。海馬の萎縮は記憶力の低下や物忘れにつながります。
4. 脳を鍛えるまとめ
脳が今よりもエネルギーを高めるためには
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Endnotes
/ 参考文献:
1 J.
M. Dietschy, "Cholesterol Metabolism in the Brain," Current Opinion in Lipidology 12, no. 2 (April 2001): 105-12.
2
Stephanie Seneff et al, " Nutrition and Alzheimer's Disease: The Detrimental Role of a High Carbohydrate Diet," European Journal of Internal Medicine 22, no.2, 134-40,
doi:10.1016
3 “The
Human Amygdala” Paul.J Whalen