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食事の時間 ①朝食抜きは体力のある人

 

一般に、午前中は”排泄の時間”という認識が広まってきました。

朝一番にトイレに行く人も多いですし、夜の間に溜まった目やには朝の洗顔で落とします。朝食前後や午前中に大便が出るのが健康的と言われます。

 

排泄の時間を意識して、朝食をグリーンスムージー、人参ジュース、レモン水などに置き換える健康法やダイエット法が人気です。加えて短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を加えたコーヒーやカフェイン類で補うことでカテコラミンを出し、仕事の効率を落とさず1日を乗り切るといった方法もあります。

この場合、昼以降はアミノ酸をしっかり補充するため、魚や肉類、蕎麦などタンパク質の元となるアミノ酸を十分に補います。

 

理論はこうです。

朝4時〜12時までは排泄』の時間・・・体内に溜まっている毒素、老廃物の不要なものを排泄する時間。

昼12時〜20時までは消化』の時間・・・食事からの栄養を補ったり、消化が活発になる時間です。

20時〜翌日4時までは吸収』の時間・・・消化された栄養素が体内に吸収される時間です。

 

この理論により、午前中の排泄の時間を消化に時間のかかるタンパク質などをなるべく摂取せずに飲み物で代用するというものです。16時間以上、腸管を休めることで腸内環境を整えるメリットもあります。

 

そうは言っても一日中腎臓は働き続け、午後からもデトックスを続けています。身体はそう単純ではありません。

午前中にデトックスが進むと信じて実行できれば身体はその通りになりますが、これには向き不向きがあります。

 

体質的には運動習慣があり、肉やタンパク質を食べても胃もたれや消化不良を起こしにくい、筋肉がしっかりついた方には向いている食事法です。精神力も強く、些細なことにあまり動じない人です。それでも、カフェイン量が増えたり、自分を追いこみ、コルチゾールを使い続けていると副腎を疲れさせてしまうことにつながります。(→副腎疲労とは)

 

また、もともと運動の習慣がなく、筋肉量の少ない方、副腎疲労のある方や、性格的に神経質で痩せ型の人には向きません。アーユルヴェーダでいうヴァータ体質の人です。食事を抜くと十分なエネルギーが保てないため午前中の活動が著しく低下します。特にすでに副腎疲労のある方は症状を余計に悪くしてしまいます。

 (副腎疲労の項を参照し、空腹時の脱力感やイライラ、その日1日の食事が過食にならないかをしっかり確認してください。)

 

食事方法は、決まった形はありません。

食事という人間の根源につながる欲求を満たす行為は、精神と非常に繋がりが強いのでとても大切な行為であり、自分を生かす儀式のようなものです。

 

一番大切なことは身体が『気持ちが良い』と感じるものを、好きな人と、感謝して楽しんで食べることです。

これが一番の満足感を得られ、栄養の吸収を促し、食べ過ぎを防ぐ方法でもあります。

 

毎回の食事の有り難みを『よくかみしめて』頂きましょう。